水平方向に直線を伸ばす軒先のコントラストとして、エントランスへと招き入れるような美しいカーブの外壁が目に入ります。南入りの明るい道路から、自然と足を踏み入れたくなる邸宅です。
明るい通りから、板張りの天井が印象的なアプローチへ入ると、間もなく天井が曲線に切れて、北海道の澄んだ空が露出します。視線の先にはガラス張りのポーチとエントランスが見え、一連の光と影のダイナミックな変化に、五感が喜び始めます。
視認性と彩光に優れたガラス張りの玄関には光が満ち、屋内と屋外を一体化したような開放感を演出しています。たたきとホールを隔てる1本の上がり框は優美な曲線を描き、ゲストに優しい印象とくつろぎを与えています。
明るく輝きに満ちた玄関から一転して、陰影を強く意識した曲線の回廊が設けられています。物理的に移動距離を伸ばした曲線の廊下の奥には、意図的に開口部を大きく取った、明るいリビング、ダイニングが広がっています。
大きな開口部が設けられているため、リビングとダイニングは輝きに満ちています。玄関から続く回廊の曲線を引き継ぐように、リビングとダイニングは美しい曲線でゾーニングされています。
リビングの大開口部の外には、広い軒下にくつろぎの空間が設けられています。リビングと統一した板張りの天井が軒下空間に独特の安心感を与え、屋外でありながら屋内にいるような居心地の良さを感じさせてくれます。
深い軒下空間に日当たりを取り込むために、軒上には広大なトップライトが設けられています。軒を支える独立柱が、伝統的な日本家屋の軒下にいるような印象を与えてくれます。
床の間が設けられた八畳間の正式な和室が用意されています。雪見障子で吹き抜けや玄関の明かりを取り込む採光の工夫が施されており、光と影の変化を静かに堪能できる落ち着いた空間になっています。
和の味わいを感じさせてくれるモダンな邸宅にふさわしく、信楽焼の浴槽が設けられています。腐食に強い国産ヒバ材をふんだんに使用しているため、入浴時にはヒバの香りを楽しめます。