自宅用サウナの費用相場
自宅用サウナの導入方法には「埋め込みタイプ」と「据え置きタイプ」の2つがあり、さらに高温タイプの「乾式サウナ(ドライサウナ)」と中温~高温で加湿するタイプの「湿式サウナ(スチームサウナ)」のどちらを選ぶかで費用が異なります。
埋め込みタイプ
- 乾式サウナ…約100万円~
- 湿式サウナ…約70万円~
据え置きタイプ
- 乾式サウナ…約40万円~
- 湿式サウナ…約30万円~
- 遠赤外線サウナ…約30万円~
※参照元:コノイエ(https://konoie.kaitai-guide.net/jitaku-sauna/)
自宅サウナのメンテナンスとランニングコスト
自宅サウナの維持費となるのは電気代が基本
自宅サウナの主な維持費は、電気代です。1時間あたりの電気代は50~70円程度を目安として考えると良いでしょう。1日2時間利用していると、月々3,000円前後のランニングコストがかかる計算です。
ただし、サウナに通うと考えると1回あたり1,500円~2,000円程度かかることを考えると、自宅サウナのほうがお得に利用できるはずです。
日々のメンテナンスは費用がかからない
自宅サウナには乾式サウナと湿式サウナの2種類があり、メンテナンス方法も異なります。乾式サウナは使用するたびに汗などを拭きとればOKです。湿式サウナは湿度が高いため、カビや黒ずみが生じる可能性が高まります。使用後には必ず乾燥することが大切です。
使用後のお手入れを簡単にするために、体にタオルを巻いて入る、ベンチにタオルをひいて入るのもおすすめです。
また、年に1~4回程度掃除をするようにしましょう。掃除の手順は、以下の通りです。
- ストーブをチェックする:サウナストーンの劣化や割れがないか確認する
- ベンチ、サウナ室内を掃除する:やわらかいブラシを使って掃除する
- 乾燥する:乾燥が不十分だとカビの原因となるが、短時間で無理に乾燥させると木が割れてしまうため要注意
メンテナンスを楽にしたいのであれば、使用する木材の選び方もポイントとなります。
- リッドシダー:撥水性が高くカビの防止に役立ち、ベンチに適している
- ヘムロック:耐久性が高く割れ防止が期待でき、壁に適している
部品が劣化すれば交換費用が必要となることも
サウナを長く使用していると、部品の交換が必要になることがあります。自宅サウナの耐用年数自体は10年程度となっていることが一般的で、サウナヒーターやサウナストーンはそれまでの間に修理。交換が必要になってくるでしょう。
メーカーによっては2~3年で交換を推奨しているケースもあります。
自宅サウナ設置時の注意点
消防法や建築基準法をチェックする
マンションやアパートに自宅サウナを設置する場合、ベランダへの設置は注意が必要です。ベランダが避難経路となっていることがほとんどです。消防法、建築基準法には、避難経路を確保すべく奥行き120cmが必要となります。梯子の上に物を置くこともできません。
また、消防法では天井付近の温度が定められており、110度を超えてはいけないとしています。家庭用サウナを設定する際には、設定温度にも気を付けておきましょう。
持ち家で庭があるのであれば、テントサウナを検討することもあるかもしれません。消防法は建物内が基準となっていますから、自分自身で安全を確保・対策することが必要です。
重量や電気工事の制限に気を付ける
建築基準法では床の耐荷重が決まっています。自宅では180㎏以上のサウナを設置することはできません。賃貸物件の場合、サウナの重量が原因で修理が必要な状況となれば、トラブルに発展してしまう恐れがあります。
また、賃貸物件では電気ストーブ型のサウナ設置を制限していることもあります。電気についても、200Vが必要なサウナが一般的ですが、自宅の電圧が不足している場合は電気工事が必要となります。賃貸物件の場合、工事そのものの許可が出ないこともあるので注意しましょう。
安全基準に合格したサウナを使用する
家庭用サウナを設置する際、輸入サウナを検討する人もいるかもしれません。輸入サウナを利用するときは、電気用品安全法の中にある電気サウナバス試験をクリアしたPSEマークのある製品を選ぶようにしましょう。
製品そのものの安全性はもちろん、消防法上もPSEマークがあるものを選ぶようにしましょう。
そのほか自宅に設置できるサウナ
屋内用サウナ
その名の通り屋内に設置するタイプのサウナです。スイッチを押すだけでサウナを温めて、気軽に利用できます。屋内用サウナは、室内に設置するため天候に左右されず利用できるのもメリットのひとつ。
1畳ほどの小さなタイプもあり、バスルームに併設したり脱衣室の横に設けたりとスペースを選ばないのが魅力です。
バレルサウナ
サウナ発祥の国フィンランドに昔から伝わるバレル=樽のような形のサウナです。おしゃれな形をしていて、屋内外にそのまま設置すれば使えます。木製なので、木の良い香りに包まれて心地よく汗を流すことができます。
北欧産のバレルサウナもありますが、日本の気候に合わせて考えられた国産サウナも人気です。ただし、2名以上入れるため大型になりがち。設置スペースを取るほか、他のサウナに比べて費用も高めになります。
テントサウナ
キャンプのテントのような形のサウナに、ヒーターを炊いて利用するのがテントサウナです。テントタイプなので庭先や屋上などにしやすく、アウトドアでも楽しめます。
使わないときはコンパクトに収納できるので、一時的にサウナを楽しみたい人に向いています。
ただし、組み立てや片付けには手間がかかるほか、キャンプ用のテントに比べて重量があり、持ち運びしにくい一面もあります。
ドームサウナ
寝袋のようなドーム状の筒に体を入れて温めるサウナです。脱衣所はもちろん、フローリングなどの部屋の中にも設置できるため、置き場所を選ばないのがメリット。顔を外に出せるので顔が熱くなりにくく、サウナの息苦しさが苦手な方にも向いています。
ただし、ドームサウナの温度は60℃ほどと他のサウナと比べて低めです。ドライサウナくらい熱くないと物足りないといった方には、あまりおすすめできません。
自宅サウナの魅力とは?
大量の発汗によって血流を良くして新陳代謝を活発にしたり、老廃物を体外へと排出できたりするのがサウナの大きな魅力。健康促進や疲労回復があるため、日頃忙しく働くビジネスマンたちの大きな味方となってくれます。
そんなサウナの一般的な利用方法は施設に通うことです。施設は設備も揃っていますが、周りにたくさん人がいるのが気になるポイントのひとつ。ひとりの時間を過ごしたくても、どうしても気が散ってしまいます。またサウナに行くまでにかかる時間は、忙しいビジネスマンにとっては貴重な時間だと言えるでしょう。この時間をなくすことで、その分を仕事の時間に割くことが可能となります。
周りに人がいたり、通うのに時間がかかったりすることを考えると、自宅にサウナがあるメリットは大いにあります。サウナ好きの方にとって、自宅に自分専用のサウナがあるのは一つの夢だと言えるでしょう。自分好みの豪邸を建てるなら、一度は検討してみたいものですよね。
サウナがもたらす効果
ビジネスマンに欠かすことのできない健康。ここでは、サウナがもたらす主な効果についてピックアップしてみました。
脳の活性化
血行が促進されることで脳に酸素が行き届き活性化します。ビジネスマンの中には、仕事のアイデアやネタ出しをサウナで行なっている人もいるほど。日頃から利用することで、常に新しいアイデアを出せる可能性があります。
疲労回復
サウナの熱によって、体内でHSP(ヒートショックプロテイン)というたんぱく質が生まれます。HSPは細胞の再生を活性化させ、免疫力をアップ。結果的に疲労回復へとつながります。
自律神経の調整
サウナの高温の空気に触れると全身の皮膚が刺激を受け、自律神経の調整力が高まります。自律神経は体のさまざまな機能をつかさどっている役割があるため、整えられることで正常な状態へ。ストレスの原因ともなる、不調が改善されます。また全身の血行も良くなるため、筋肉内の血流量が増加。肩こりや腰痛、むくみなどの軽減につながります。
安眠効果
主に低温サウナで見られる効果です。低温サウナにゆっくり入ることで鎮静作用を得ることができるため、活動的なリズムから休息のリズムへと転換が図れてぐっすり寝ることができます。また血液の循環が良くなることで、運動に似たような適度な疲労感を得られることも。普段運動しない人や不眠の人でも、寝つきが良くなります。
美肌効果
サウナに入ると蒸気や熱気によって皮脂腺が活発化され、毛穴に詰まった汚れが排出されます。近年は男性の美意識も高くなっているので、美肌効果を得られるのは大きなメリットでしょう。
サウナがもたらす効果
ビジネスマンに嬉しい効果をもたらすサウナですが、入浴方法を工夫することでより効果を高めることができます。
繰り返し浴
90~100℃のサウナに10~15分入る方法です。じっくり汗を流したら一度サウナから出ます。水を浴びることはせず、汗が引いたタイミングで再びサウナへ。時間をどんどん短くしながら繰り返すことで体が温まり、汗をかきやすくすることが可能です。
温冷交代浴
90~100℃のサウナに8~10分程度入り、冷水シャワーや水風呂に入ります。その後、再びサウナに入るといった方法です。肉体的疲労の回復に効果を発揮し、腰痛の症状も緩和されます。酸素の摂取量が増えるので、疲労物質の排泄が促進されるのが特徴です。
低温浴
70℃前後のサウナで15~20分ゆっくりと汗が流す低温浴。緊張を解く鎮静作用が働くため、リラックス効果を高めます。不眠症やストレスが溜まっている人におすすめです。
サウナの種類
サウナと一口に言っても、その種類はさまざま。そのなかでも代表的なのが、「乾式サウナ」「温式サウナ」「遠赤外線サウナ」の3つです。では、それぞれの種類について詳しく見ていきましょう。
乾式サウナ
一般的に施設でよく取り入れられており、最もポピュラーなのが乾式サウナです。文字通り室内を湿度を10%程度にし、乾燥させることで高温環境を作っています。蒸気を使用しないタイプのもので、室温は80℃~100℃に設定されていることが多いのが特徴です。
温式サウナ
乾式とは逆に、湿度が70%~100%と高いサウナです。ミストサウナやスチームサウナなどがこの温式サウナにあたります。最近は、蒸気にアロマを加えてリラックス効果を高める楽しみ方もあるのだとか。室温は一般的なサウナよりも比較的低めで、40℃~50℃程度です。身体への負担が少ないので、時間をかけてじっくり汗を流したい方におすすめですね。
遠赤外線サウナ
家庭用サウナでよく用いられるのが、この遠赤外線サウナです。温度は55℃~70℃程度と、温式サウナよりもやや高めになっています。人体に良いとされる遠赤外線の力で身体を温めるため、血行がよくなり、冷え性や肩こりの改善効果が期待できるのだそう。自宅に設置できる簡易的なボックスタイプも販売されているので、一度チェックしてみるとよいでしょう。
自宅にサウナを設ける際の注意点
自宅にサウナを設置したいときに、まず考えなくてはならないのが設置スペースです。使用頻度が低いならテントサウナがおすすめですが、室内に設置したいのであれば屋内サウナが適しています。
バレルサウナにこだわりたい場合は屋外に設置することになりますが、庭先や屋上のスペースを大きく取ることになります。設置したいスペースと、希望するサウナのサイズを確認しておきましょう。
また、サウナのタイプによって温度帯や湿度にちがいがあります。理想の温度や湿度をチェックしながら設置する種類を選ぶようにしてください。
さらに、サウナの設置には火災を防止するための法律や規制があります。サウナを設置する前に、必ず法律や法令を確認するようにしましょう。
火災防止関連の法律に詳しく、サウナ施工の実績がある業者に相談してみるのがおすすめです。