50年・60年と、長く愛されるHOPの家づくりに欠かせない建築技術。ここでは、そのベースとなる構造材に用いているHOPならではの技術と、在来工法に独自のアイデアをプラスしたHOP工法についてまとめました。高精度な素材を作る技術はもちろん、環境への配慮についても必見です。
社寺建築のように、千年以上の歴史に耐えて残る日本の伝統建築。そこで用いられている在来工法の「しなやかさ」、柱・梁の材料を吟味して高精度で加工することによる「高強度」、この2つを併せ持つのがHOP工法です。
HOP工法の基本構造は骨太の軸組みと、地震などの際に木材が歪んだりしないよう全体的なバランス計算のもとで配置された筋交い。さらに耐震性に優れた構造用下地材(外壁下地用耐力面材の認定取得品)をプラスすることにより、強度の高い「面」を構成。万が一の大地震でもゆるがない、堅牢性を実現しているのが大きな特徴です。
HOPの住宅に利用される木材は、SGEC森林認証材をはじめとする木材。北海道各地の森林で適切に伐採された木材は、いったん貯木場に集められ、自然乾燥したのちに製材として加工されます。その乾燥・加工技術にも、HOP独自の技術力が光ります。
HOPでは、北海道産カラマツといった間伐材を住宅の柱にそのまま使える、独自の乾燥処理技術を北海道林産試験場と共同開発しました。これにより、曲がる、割れるなどしていた人工林材の欠点を克服し、全国で使われるようになりました。また、間伐材をそのまま柱状に加工し、四方向から一定の深さの溝を作り乾燥させるという方法で特許を取得しています。この技術によって1本の間伐材をまるごと柱材として利用できるようになり、間伐材の利用価値を向上させることができました。
HOPグループの留辺蘂工場では、薄い板状にした木材を貼り合わせた板材を、最新鋭のコンピューターで管理された設備にて開発・製造しています。これらの材料は一般的に「集成材」と呼ばれますが、製材の1.5倍の強度や、ねじれ・反り・割れ・狂いなどが生じにくいといった高強度・高精度を誇ることから、エンジニアリングウッドとも呼ばれます。丈夫なだけでなく、端材・廃材などもムダなく利用できるため、資源の有効活用としても優秀です。
製材された柱・梁などの構成材は、HOPグループのプレカット工場で加工を実施。コンピューター制御を行うプレカットシステムにて、継ぎ手口などの加工が施されます。これにより、従来は職人の技術力に左右されがちだった住宅部材を高度に均一化。素材のバラつきがなくなり、高精度な住宅の安定供給が可能となりました。
HOPでは、建具・家具・階段材・幅木材といったものについても、1棟1棟の細かなオーダーにミリ単位で対応できるよう自社の丘珠工場にてオリジナルで製作。より精度の高いクオリティーを目指し、既製品を用いないのが特徴です。
建具や家具に利用しているのは、タモ・ミズナラ・ヒノキ・スギ・マツといった高級無垢材です。1本1本の含水率を測定し、熟練したプロの目で厳しいチェックを実施。合格した木材のみを加工して完全オーダーメイドで作られる建具・家具は、すべてが家ごとに異なるこだわりの一品ものなのです。
ハウジングオペレーションアーキテクツ株式会社
何十年経っても色あせない、町の文化遺産として後世に愛されるような高級注文住宅を、北海道を中心に国産材で作り上げるハウジングオペレーションアーキテクツ(HOP)。「古くならずに、深くなる」、年とともに愛着の深まる邸宅づくりの事例を紹介します。