北海道の荒野に建つ邸宅の外観になります。景観の調和を意識して、打ち放しのコンクリートが採用されています。2階に突き出した空間は、書斎兼寝室になります。
玄関からは長大な屋根が突出し、ポーチの役目を果たしています。屋根は車寄せの一角を覆うように突き出していますので、雨や雪の日でも体をぬらさず、家屋への出入りを可能にしてくれます。
シナ材の天井、ナラを使用した床など、木目が美しいリビングとダイニングが広がっています。窓枠にも木材が使用されており、室内に独特の温かみを与えています。
2階に突き出した寝室兼書斎は、どれだけの降雪があっても景観を邪魔されない位置に設けられています。タモ材を使用した造作家具と、シナ材、ナラ材の天井・床が北の大地の耕作地と一体感を見せています。
エントランスの正面には、北海道の丘陵とカラマツの林を眺められる大開口が設けられています。直線を多用した外観とは一転して、たたきとホールの境界にある上がり框には、優雅な曲線が描かれており、居心地の良さを感じさせてくれます。
1階と2階を結ぶ階段は、美しい曲線を描いており、吹き抜けのホールが開放感を演出しています。鉄製の手すりは細部にまで利便性が考慮されており、広い角度から最短で進入できるように、手すりが階段を離れて外側に開かれています。
バスルームにも大開口が設けられているため、北の大地の稜線やカラマツの林を眺められるようになっています。窓の一部は開閉が可能なため、季節に応じて凍てつく冷気や、冷涼なそよ風をバスルームに取り込めるようになっています。
廊下やリビングの一部などに、タモ材の列柱が配置されています。堂々とした木材が、ときに安心感を与え、ときに視覚を喜ばせてくれます。