ジョージアン様式とは
ジョージアン様式は、18世紀から19世紀中ごろのイギリスで流行した、建築と家具のデザイン様式です。
左右対称(シンメトリー)の構成が特徴で、シンプルでありながら古典的な装飾が施されています。直線的で端正なデザインの中に繊細さが感じられ、イギリス各地で多くのジョージアン様式建築が建てられました。また、同様の特徴をもつ家具も数多く製造され、その上品な造形は今もなお高く評価されています。
ジョージアン様式はその後アメリカにも伝わり、とくにアメリカ東部を中心に広く定着しました。
ヴィクトリアン様式との違い
ヴィクトリアン様式は、ジョージアン様式のあとに流行した建築デザインです。
華やかで装飾性の高いヴィクトリアン様式に対し、ジョージアン様式は重厚で調和のとれた美しさをもっています。たとえば、ヴィクトリアン様式の家具やモールディングには凹凸のはっきりした凝った装飾が見られますが、ジョージアン様式は装飾を控えめにし、上品さと均整の取れたデザインを特徴としています。
どちらもイギリスで生まれた人気の建築様式で、それぞれに異なる魅力があります。
ジョージアン様式を取り入れた家の特徴
バランスの取れた左右対称のデザイン
ジョージアン様式の最大の特徴は、左右対称(シンメトリー)の美しい構成にあります。シンプルで洗練された直線的なデザインのもと、窓やドアは均整の取れた配置に整えられています。
また、ジョージアン様式は「組石造」と呼ばれる構造形式から生まれたこともあり、外壁にはレンガや石などの素材が多く用いられます。レンガを積み上げた外観は重厚で存在感があり、住まいにクラシックな風格をもたらしてくれます。
建物中央にある正面玄関
ジョージアン様式の家では、建物の中央に玄関ドアを設け、その両側に同じ大きさの窓を等間隔に配置するのが特徴です。整然としたシンメトリーの構成が、外観に端正な美しさをもたらします。
誕生当時のジョージアン様式では、ドアを黒や白などのモノトーンで塗装するのが一般的でしたが、近年ではパステルカラーや深みのある原色を取り入れた華やかな玄関扉も見られるようになりました。
ドアの上部には、ファンライトと呼ばれる正方形やアーチ型のガラス窓があしらわれることもあります。柔らかな光が差し込み、玄関まわりに明るく上品な印象を添えてくれます。
上下に開閉するダブルハングウィンドウ
ジョージアン様式の家でよく見られるのが、上下に開閉する「ダブルハングウィンドウ」です。
日本の住宅では左右にスライドする引き違い窓が一般的ですが、ダブルハングウィンドウは上下に動かす構造が特徴です。クラシックな欧米建築によく用いられるスタイルで、ジョージアン様式の端正な外観にも自然に調和します。
上下の窓をそれぞれ開けられるため、風通しに優れ、快適な空間をつくることができるのも魅力のひとつです。
家具には高品質な木材を使用
ジョージアン様式の家具には、マホガニーやウォールナット、オークなどの高品質な木材が用いられています。重厚で上品な艶をもち、邸宅にふさわしい高級感を演出してくれます。
また、年月を重ねるほどに深みを増し、味わいがいっそう豊かになるのも、ジョージアン様式の家具ならではの魅力です。
クラシックな存在感と風格をまとう邸宅
18〜19世紀のイギリスで生まれたジョージアン様式。左右対称の端正な構成と直線美が織りなす、重厚で上質なデザインが魅力です。レンガや石を用いた外観、建物中央の玄関、上下に開くダブルハング窓──。クラシックで気品ある佇まいが、住まいに確かな品格をもたらします。
マホガニーやウォールナットなどの高級木材を用いた家具とともに、時を経ても色あせない上質な暮らしを叶えてくれる建築様式です。


