シーリングファンのメリット
冷暖房の効率を上げる
空気は暖かくなると上にのぼり、冷たくなると下に溜る性質を持っています。そんな部屋の空気をかき混ぜて、空間の温度を均一にするのがシーリングファンの役割です。そのため、冷暖房を使用したときに部屋を効率よく暖めたり冷やしたりすることができます。
シーリングファンがない部屋で冷暖房を使用すると、空間の上の層や下の層ばかりの温度が変化するため、設定温度を上げ下げする、あるいは風量を強めないとなかなか快適さを感じられません。シーリングファンがあれば暖かい空気はすぐに足元に届き、冷たい空気は緩やかな気流となり全体が冷えるため、必要以上に冷暖房を強めなくても快適に過ごせるようになります。
電気代の節約になる
シーリングファンには冷暖房の効率を上げるメリットがあるため、つまり電気代の節約にもつながります。一般的に、暖房の設定温度を1度低くすれば約10%、冷房時に1度低くすれば約13%の省エネ効果があるとされています。シーリングファンを稼働させるためにも電気代はかかりますが、冷暖房よりも高額にはなりません。
シーリングファンの電力消費はモーターの種類によって異なりますが、消費電力が多いACモーターを一般家庭で24時間使用しても、毎月の電気代は約900円程度です。これはエアコンの温度を1度調整するよりも節電効果があります。消費電力の少ないDCモーターが搭載されたシーリングファンであれば、さらに電気代を抑えられます。
参照元:東京電力パワーグリッド「省エネ豆知識」(https://pgservice1.tepco.co.jp/2023/01/31/energy-saving-trivia-airconditioner-heating/)
iemiru(https://www.ie-miru.jp/articles/267)
空間の格を上げる
シーリングファンと聞くと、リゾートホテルの天井や広々としたおしゃれなカフェなどをイメージする方も多いのではないでしょうか。おしゃれなシーリングファンを取り付けることで、部屋全体が一気に優雅な雰囲気になります。リビングなど天井の高い部分や吹き抜け部分に設置すれば、一気にリゾート感やラグジュアリー感を演出してくれるでしょう。
デザイン性の高いタイプや照明付きタイプなど、さまざまな形や色、大きさのシーリングファンがあります。部屋の空気を循環させる本来の目的とは別に、雰囲気を演出するインテリアとして取り入れるのもおすすめです。
シーリングファンのデメリット
天井が低いと不向き
天井を高くとった部屋や吹き抜け部分であればシーリングファンが空気を上手く循環させてくれますが、天井が低いと設置してもあまり効果を感じられません。天井が低い部屋の場合、エアコンや空気清浄機だけで十分に空気が循環されていることが多いためです。また、天井が低い位置にシーリングファンを設置すると、ファンが回る音が気になったり頭にぶつかったりする可能性もあります。
天井の高い豪邸であれば問題ありませんが、どうしても天井の低い部屋に設置したいなら、静音タイプや薄型タイプを選ぶようにしてください。
自力で掃除できない可能性
シーリングファンは天井の高いところに設置するため、掃除しにくいのがデメリットです。ファンに溜まったホコリを取ろうにも高い所まで届く掃除道具を購入しなくてはなりませんし、高所の掃除は転倒する危険性があります。高い天井や吹き抜け部分など、自力での手入れが難しい場合は、業者に依頼して清掃してもらうしかないでしょう。
天井の強度不足で設置できないことも
シーリングファンは一般的な照明よりも重さがあるため、天井の強度も求められます。「竿縁天井」と呼ばれる一般的な和室の板張り天井や強度の弱い天井の場合、設置できない可能性があります。シーリングファンを設置したい部屋の天井の強度は、事前に確認するようにしましょう。
シーリングファンの選び方
シーリングファンのタイプを選ぶ
シーリングファンには、照明がついている一体型のタイプと照明が付いていないタイプがあります。照明が付いているタイプは、天井をおしゃれに演出できますが、照明の掃除に手間がかかります。照明が付いていないタイプはスッキリとスタイリッシュに見せることができますが、照明との位置やバランスを考えて設置しなくてはなりません。どちらのタイプにするか、部屋のつくりやイメージに合わせて選びましょう。
デザインを選ぶ
天然木を使用したナチュラルなファンやモノクロのモダンなデザイン、椰子の葉や藤素材を使ったリゾート風ファンなど、シーリングファンにはさまざまなデザインがあり、種類が豊富です。部屋のテイストやインテリアに合ったデザインが見つかるでしょう。
機能を選ぶ
照明付きのシーリングファンの場合、調光機能を備えたものやLEDライトに対応しているものなど、さまざまな機能があります。照明なしタイプのシーリングファンも、ファンの回転方向を変えられるものやリモコンで操作できるものなど機能はさまざまです。ニーズに合わせた機能があるかを確認しましょう。
モーターの種類を決める
シーリングファンには、ファンを回転させるモーターが付いています。モーターにはACモーターとDCモーターの2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
ACモーターとは交流電流を使うモーターで、種類が豊富で安価で手に入りますが、消費電力が多いデメリットがあります。一方、DCモーターは、直流電流を使うモーターです。価格は高めですが消費電力が少なく省エネにつながりやすいため、DCモーターの人気が高い傾向にあります。
シーリングファンを設置する際の注意点
天井の高さを確認する
シーリングファンを設置する前には、床から天井までの高さを確認しましょう。最低でも床からファンの距離が210〜220cm以上になるように設置することが大切です。これよりも低くなってしまうと部屋の天井が狭く感じられ、圧迫感が生まれてしまいます。また、低い天井にシーリングファンを吊り下げると、羽の先端が手や頭に触れてしまう危険性があります。製品ごとに推奨距離が設定されているので、安全性を考慮してシーリングファンの推奨距離を確認するようにしてください。
羽の数と直径を確認する
設置する部屋の大きさに合わせて、羽の数と直径を確認しましょう。設置スペースが広い部屋であれば羽の直径が100cm以上あっても問題ありませんが、狭い部屋では羽の直径が大きすぎるとアンバランスになります。壁からの距離は40~50cm以上空けるのが基準です。
羽の数で人気なのは3~4枚タイプのシーリングファンで、最も主流なタイプと言えます。羽の数によって風量が変化することはありませんが、羽の数が多いほど細かな風が届くようになります。やわらかく自然な風を取り入れたいなら、羽の数が多い5~6枚タイプを選びましょう。
重さを確認する
ほとんどのシーリングファンは重さが10kg以下となっていますが、天井の配線器具の種類によっては、設置できるシーリングファンの重さが制限される場合があります。天井に木ネジで固定する必要がある場合、5kg以下のシーリングファンしか設置できません。また、傾斜天井専用の配線器具や配線だけのものなど状況によって設置できる重さが異なります。設置したいシーリングファンが見つかったら、重さが適正かどうか施工業者に相談しましょう。
天井の傾斜を確認する
傾斜のある天井にシーリングファンを設置したい場合、傾斜に対応しているかどうかを確認しなくてはなりません。製品それぞれに何度までの傾斜に対応しているかが記載されているはずですが、天井の傾斜について詳しいことが分からない場合は、重さや大きさと同様、まずは施工業者に相談してみることをおすすめします。