回遊性のある間取りとは
回遊性のある間取りとは、家の中に行き止まりをつくらず、部屋から部屋をぐるりと巡ることのできるつくりを指します。リビングからキッチン、キッチンから洗面台、洗面台からリビングへというように、1つの場所から複数の場所へアクセスできるのが特徴です。家の中をぐるりと巡れる動線があることで、空間の伸びやかさや豪邸ならではの広さをより感じられるのが魅力。また、抜け道のように巡れる動線にするなど、間取りに遊び心も添えられます。
回遊性のある間取りのメリット
便利な家事動線を生み出せる
料理や掃除、洗濯などの家事は並行して行うことが多いので、間取りのせいで家事のスムーズな流れが途絶えてしまうと、ストレスを感じてしまいます。家事を日々こなしながらも快適に過ごすには、主要な家事動線を短く効率的にすることが大切です。回遊性のある間取りならリビングを中心に各部屋がつながっているので、便利な家事動線を生み出しやすいというメリットがあります。
回遊性をただ高めるだけではだめで、家事の効率アップにつながる部屋の関係性を考えることが重要です。日々の作業や家族の行動パターンなどを振り返りながら、どういった回遊性にするのがベストなのかを検討しましょう。
閉塞感のない伸びやかな空間をつくれる
回遊性のある間取りは間仕切りが少ない構造をしているので、空間の伸びやかさや広さをより感じられます。豪邸ならではの開放感や広々とした空間をより堪能するなら、回遊性を意識した間取りを検討するのがおすすめです。圧迫感や閉塞感の少ない空間は、気分も自然と伸び伸びしてくるもので、爽快感や心地よさを感じられるという心理的メリットもあります。
光と風が家全体を巡る快適な住空間を実現
回遊性のある間取りにすると光と風の通りも良くなり、新鮮な空気や光が循環する快適な空間を実現できます。湿気がこもりやすい北側の部屋や水回りなどにも新鮮な空気を取り入れやすくなるほか、冷暖房の風も家全体に行き渡るので、温度ムラの少ない住空間をつくりだせるのも回遊性を高めるメリットです。
子どもの様子を見守りながら家事ができる
回遊性のある間取りは視界が開けているので、遊んでいる子どもの様子を見守りながら料理や洗濯物の片付けなどができます。たとえばキッチンと洗面脱衣所がつながっている動線にすれば、キッチンで料理をしながらお風呂に入っている子どもの様子を確認できたり、お風呂から上がったら湯冷めしないうちにタオルで拭いてあげたりすることも可能。見守りや手助けがいる小さいお子さんがいるご家庭には、お子さんの様子を気軽に確認できる回遊性の高い間取りがおすすめです。
回遊性のある間取りのデメリット
プライバシーを確保しにくい
回遊性のある間取りは、開放感のある伸びやかな空間をつくれる一方で、間取りによってはプライバシーを確保しにくいというデメリットがあります。家族の出入りが気になってお風呂に入りにくかったり、自分だけのこもれる場所がなくて落ち着かなかったりなどのケースも考えられるので、プライバシーも考慮しながら間取りを検討する必要があるでしょう。
プライバシーを確保したいときは鍵を付けて施錠できるようにしたり、隠れ家的な居場所をつくったりなど、開放感とプライバシーを両立できるように家族で話し合うことをおすすめします。
収納スペースが不足する可能性がある
回遊性のある間取りは間仕切りが少ない構造になっているので、クローゼットを設置するのが難しく、収納スペースが不足する可能性があります。収納スペースが不足してしまうと物が散乱しやすくなり、開放感や快適性が損なわれてしまうことも。収納スペースを確保するには、間取りを設計する段階から収納計画を考えておく必要があるでしょう。
壁に埋め込むタイプの一般的なクローゼットだけでなく、ビルトインガレージやウォークインクローゼット、ウォークスルークローゼット、パントリーなども候補に入れておくと、選択の幅を広げられます。
回遊性のある間取りで心と空間にゆとりをもたらす
回遊性のある間取りは便利な動線を生み出せるので、日々の家事のストレスが軽減され、心にゆとりをもたらすことができます。また、視界が開けた開放感のある空間を演出できるのも、回遊性のある間取りの魅力です。伸び伸びと過ごせる空間をつくりだせ、豪邸での暮らしをより豊かなものにしてくれるでしょう。