犬・猫の習性を知って心地よく過ごせる家を叶える
犬の習性
犬は好奇心が強く、体を動かすのが好きな動物です。また、安心できる場所として狭い隙間を好む一方で、群れをつくって生きてきた動物ならではの特性として孤立した環境が苦手な寂しがり屋の一面も。家族と一緒のスペースで過ごすことを好むため、暑さが苦手な犬が夏でも家族と安心して過ごせるような家づくりが必要になります。
猫の習性
猫は獲物や外敵を発見しやすいように、高い場所や狭い場所を好む習性があります。集団生活を好む犬と違って、基本的に1匹で行動する動物です。猫の語源が「寝子」という説もあるように、1日の行動の半分を睡眠に費やすほどよく眠るのも猫の特徴の1つ。また、爪とぎも猫ならではの習性です。そのほか、キレイ好きで縄張り意識が強い一面を持っています。
ペットと暮らす家の間取りを考える際のポイント
犬にとっての快適な間取り
犬は自分のテリトリーを決めたがる動物なので、家族の顔が見える場所にケージを設置したり、ドッグルームを設けたり、など安心して過ごせる居場所を用意してあげることが大切です。ただし、犬にとって階段の昇り降りは足腰に大きな負担がかかってしまうため、2階に犬の居場所を設置するのは避けましょう。設置するなら1階、特に家族が集まりやすいリビングがおすすめです。
また、犬は同じルートを何度も回ることがあるので、室内を一周できる回遊動線を取り入れておくと運動不足やストレス解消にもつながります。
猫にとっての快適な間取り
好奇心旺盛な猫は家中を自由に動き回りたがるので、高いところが好きな猫のために上下運動ができる仕掛けや工夫を用意してあげると良いでしょう。キャットタワーやキャットウォークのほかに、夜間でも部屋を自由に移動できるキャットドアを設置するのもおすすめです。自由に動き回れることでストレス解消にもなり、脱走防止にもつながります。
キャットタワーやキャットウォークを設置する際は、猫が飛び乗っても問題ない強度かどうかをしっかり確認しておくことも重要です。また、キャットドアを計画する際も、猫の成長や体形の変化でも通り抜けられるサイズを検討しましょう。
また、猫は日当たりの良い場所を好むため、猫がくつろげる場所として出窓などを設置してあげるのもおすすめです。
ペットとの心地よい暮らしに取り入れたい設備
犬の場合
犬と暮らすうえで取り入れたい設備は以下の通りです。
- ドッグラン
- 見送り・出迎え用の小窓
- ドッグスペース
- 足洗い場
- 足への負担が少ない床材
犬は運動するのが好きなため、庭や屋上にドッグランを用意してあげると良いでしょう。また、犬と暮らす場合は、散歩やドッグランから帰ってきたときに犬の足をキレイにできる洗い場が必須。大型犬は足を洗った後に抱えて室内に入るのは大変なので、勝手口など洗った後ですぐ家に上がれる場所に立水栓を設置するのがおすすめです。
また、外を眺めるのが好きな犬のために、飼い主を見送り・出迎えができる小窓を目線の高さに用意してあげるのも良いかもしれません。そのほかにも、犬の足腰に負担がいかないように、滑りにくい加工の床材や床タイルを選んだり、階段はコルク材またはペット用にコーティングされたものを選びましょう。
猫の場合
次に、猫と暮らす家に取り入れたい設備は以下の通りです。
- キャットウォーク・キャットタワー
- キャットドア
- 爪とぎ用の柱
- 日向ぼっこができる出窓
- ひっかき傷がつきにくいクロス
猫は高いところを好むので、犬のように走り回れる広いスペースは必要なく、上下運動ができるキャットウォークやキャットタワーを用意してあげましょう。猫と一緒に暮らすなら、爪とぎ用の柱は欠かせません。ただ、爪とぎ用の柱を用意したとしても、別の場所で爪とぎをする可能性もあるので、その都度移動できるタイプを選ぶのがおすすめ。また、麻縄で爪とぎをするのが好きな猫は多いため、よく爪とぎをする場所に麻縄を巻いてボロボロにならないよう保護するなどの対処が必要です。
そのほかにも、猫は日光浴をすることで体温調節やノミ・ダニを駆除しているので、日向ぼっこのできる出窓もつくってあげると良いでしょう。
犬・猫共通
- 空調設備
- 換気設備
- 侵入防止のフェンスなど
犬や猫は体温調節が苦手なため、夏や冬の室温変化で体調を崩さないように、空調設備で心地よい環境を整えてあげましょう。特に夏は、高温の室内だと犬や猫も熱中症を起こしてしまうので要注意。外出中でもペットにとって心地よい室温をキープできるように、全館空調を検討するのもおすすめです。
ペットと暮らしていると、どうしてもダニやハウスダストが発生しやすくなるので、人もペットも心地よく過ごせるために定期的な換気ができる設備を取り入れましょう。トイレ周りに自動センサー付きの換気扇を設置しておけば、気になる匂いがこもるのを防いでくれます。
また、ペットの安全を守るために、玄関やキッチンに侵入防止のフェンスを設置するのもおすすめです。