上がり框の効果
外と中を分ける境目になる
日本の住宅も欧米化しつつありますが、室内で靴を脱ぐ習慣は今も変わっていません。上がり框を設置すれば、家の外と中の境目が明確になります。初めて家を訪れたお客さんであっても、戸惑うことなく靴を脱ぐ場所がわかるでしょう。
座って靴の脱ぎ履きができる
サンダルやスニーカーなど簡単に履ける靴であれば問題ありませんが、ブーツや革靴など、履くのに手間がかかる靴は、上がり框があることで座って脱ぎ履きができます。時間がかかってしまいやすい子どもや高齢者も、靴の脱ぎ履きがしやすいでしょう。
家の個性を作ることができる
普段人の家を訪れても、上がり框を意識して見ている人は少ないかもしれません。しかし上がり框にはさまざまなデザインがあります。玄関は人を迎える大切な場所。個性を感じさせる上がり框にすることで、センスのある家づくりができます。
ホコリやゴミが家の中に入るのを防げる
玄関に段差を作り上がり框を設置することで、家の中にホコリやゴミが入ってくるのを防げます。土間には思っている以上に外から持って帰ったホコリやゴミが溜まってしまいますから、上がり框を作れば家の中が汚れてしまうのを防げるでしょう。
上がり框の形や材質の決め方
上がり框の形の決め方
上がり框の形は、玄関のスペースや導線を考えて決めるのがおすすめです。
玄関スペースが十分に作れない場合は、斜めタイプの上がり框がおすすめです。斜めにすることで上がり框の直線部分が広くなるため、限られた空間も広々として見えます。また、靴を脱ぎ履きできるスペースも増えるので、大人数の来客があった場合でも使いやすいです。
空間がしっかりとれるのであれば、幅が広い直線やL字型がおすすめ。とくにL字型は脱ぎ履きできるスペースが格段に広がります。
個性を感じさせる上がり框にするなら、温かみのある曲線やシャープな印象を持つ角のある上がり框もおすすめです。
上がり框の材質の決め方
一般的に上がり框は、たたきと同じ素材にするか、土間と同じ素材にすることが多いです。たたきと揃える場合はフローリング、土間と同じ場合はタイルや人工大理石などが用いられます。どちらかと揃えることで、土間とたたきの間に明確な境界を作りつつ、スッキリとした印象を作ることができるでしょう。
また、あえて上がり框にたたきとも土間とも違う素材を選ぶことで、個性を感じさせる家づくりができます。全く異なる色やモザイクタイル、金属などを使用することで、アクセントのある空間づくりができるでしょう。
上がり框の高さと幅
従来の上がり框は、しっかり腰掛けられる高さであることが一般的でした。しかし、近年は高齢者でも住みやすい家づくりの一環として、18cm以下の段差であることが多いです。現在は高齢者が住まない家だとしても、将来のことを頭に入れて高さを検討しましょう。
また、上がり框の幅は、幅広だとどっしりとして安定感のある印象に、幅狭だとスタイリッシュな印象になります。家全体のテイストを考えつつ、どのくらいの幅にするのかを決めましょう。
上がり框がない場合のデメリット
上がり框を作らない場合のデメリットは、靴の脱ぎ履きがしづらいこと、ホコリやゴミが入りやすいこと、雨の日に玄関が汚れやすいことなどが挙げられます。玄関を広く見せるために上がり框を作らなかったのにも関わらず「靴の脱ぎ履きがしづらいのでベンチを設置した」というケースも少なくありません。上がり框を作るか悩んでいる場合は、デメリットも考慮して決めるようにしましょう。