東京には低地が多い?
東京は山地の多い西部、そして丘陵と台地が多い中央部、さらに低地が広がる東部の3エリアに分けられます。山地と丘陵が占める範囲よりも、台地と低地が占める範囲のほうが多いです。東京東部の低地は、全体的に海抜0メートル以下の「ゼロメートル地帯」になっているのが特徴です。
東部エリアは昔から低地が広がっており、江戸時代に埋め立てなどがおこなわれ、土地開発されてきた歴史があります。その後、明治時代以降に産業が目覚ましい発展を遂げた時代に、地下水の汲み上げが主な原因であるとされる地盤沈下が発生し、「ゼロメートル地帯」が広がったと考えられています。
東京にある高台の高級住宅地
田園調布
田園調布駅を出ると、ロータリーから3つの道路が放射状に伸びています。その先には美しい銀杏並木があります。緩やかな坂を上っていくと、大きな区画の家が並ぶ住宅街が広がっています。
青山
高級感ただようオシャレなエリアです。「富裕層になれたら暮らしてみたい」「都心の中でも自然が豊か」「交通アクセスがとても良い」などのイメージが強く、多くの人々にとって憧れの住宅地となっていることがわかります。
麻布
山手の高級住宅地の代名詞ともいえる麻布。かつては交通の便があまり良くありませんでしたが、現在では東京メトロ南北線や都営地下鉄大江戸線などを利用できるので、交通アクセスも良好です。また、麻布は大使館やインターナショナルスクールなどが多いため、国際色豊かなエリアとしても知られています。
六本木
江戸時代には、ほぼ全域が武家屋敷と社寺地であったと考えられているエリアです。現在では名だたる繁華街になっており、六本木通沿いには国会議事堂や赤坂アークヒルズ、六本木ヒルズなどがあります。
城南五山
城南地区にある高台5カ所の総称が「城南五山」です。いずれも見晴らしの良いエリアです。また、東京都内にありながら都会の喧騒を感じさせない静かな環境も、大きな魅力となっています。
本郷
明治から昭和にかけて、多くの教育機関が設けられたエリアです。現在の東京大学周辺には、多くの学者や作家が居を構えた土地としても知られています。小石川後楽園や小石川植物園ほか、多くの日本庭園があり、和の情緒を味わえるのも本郷の魅力です。
豪邸を高台に立てるメリット
景観が良い
高台に豪邸を構えることで得られるメリットとして最初にあげられるのが、景観が素晴らしいということです。きれいな景色を楽しみながら日々を送ることができるのは、とても大きいメリットだといえます。さらに、他の住まいの影になりにくいため、自然光をたっぷりと取り込むことのできる住環境を得られます。
静かな環境
平地と比較すると高台は人通りが少ないので、静かな環境で暮らすことができます。また、人通りの少なさがひとつの要因となり、空き巣などの犯罪も起こりにくくなっているようです。
災害の被害を受けにくい
自然災害が発生した際、高台であればその被害を受けにくいというメリットもあります。海に面している東京都は、地震などによる津波が発生した場合には、特に低地などは大きな被害を受けやすいと考えられます。また、ちかごろ深刻さを増しているゲリラ豪雨などの異常気象による被害も、低地よりは高台のほうが少なくて済むケースが多いです。
豪邸を高台に立てる際の注意点
切土か盛土か確認する
上述のとおり、低地と比較すると高台のほうが自然災害の影響を受けにくい条件がそろっているといえます。けれども、だからといって安全であると断言することはできません。
高台は大きく「切土」「盛土」の2つに分けられます。地盤を削ってつくられた土地が「切土」、そして平地に土を持ってつくられた土地が「盛土」です。切土にはもとの強い地盤も残っているため、盛土と比較すると、より頑丈な土地であるといえます。地震が発生した際などは、切土の高台のほうが、大きな被害を受けるリスクをおさえやすくなります。
水害の被害を受ける可能性がある
高台であっても、あまりに雨量が多いと、水害に遭うリスクが高まります。たとえば、大きな川が氾濫して洪水になった場合などは、その水が高台にまでおよぶ可能性もあると考えておくのが賢明です。
土砂災害のリスクがある
土砂災害のリスクについてもあらかじめ認識しておくことが大切です。ゲリラ豪雨などで水を大量に含んだ斜面の重い土が崩れ落ちる「土砂崩れ」、そして豪雨や地震やの影響で斜面がすこしずつ移動していく「地すべり」などは、傾斜地で発生しやすい災害です。甚大な災害を受けるリスクが低いとされている切土の高台であっても、油断は禁物だといえます。