廊下のデザインにこだわるメリット
空間ごとの世界観や快適さを守れる
廊下は部屋と部屋をつなぐクッションのような役割を担っており、部屋同士の距離を確保して音や匂いなどを緩和してくれるのが特徴です。廊下がないと音や匂いが各部屋に伝わりやすくなるため、内装にこだわったおしゃれな部屋に食事の匂いやトイレの音が伝わって世界観が台無しになってしまったり、リビングでくつろぎにくくなってしまったり、などのデメリットも考えられます。
また、廊下がないことでプライバシーの確保が難しくなり、レイアウトによっては玄関から室内が丸見えになったり、ほかの部屋に物音や話し声が聞こえて部屋の様子が分かってしまったり、といったことも。生活音や匂い、視線などが気になって、自分の家なのにくつろげない空間に仕上がる可能性があります。
そのため、世界観を大事にしたい部屋やプライバシーを確保したい部屋がある場合は、廊下のデザインやレイアウトにこだわると良いでしょう。
収納やインテリアとしての機能をプラスできる
廊下は収納を設置する場所としても有効活用でき、たとえばウォークスルークローゼットを設置して、アパレルショップのようなおしゃれな内装を演出するのもおすすめ。また、本棚を設置するのも良いでしょう。
そのほかにも廊下の床だけ別の部屋とは違う素材を使用してガラリと雰囲気を変えたり、廊下に面する各部屋の扉の色やデザインをそれぞれ変えたり、といった楽しみ方もできます。廊下に好きな絵や植物を設置するとデザイン性が増し、通路としての機能性だけじゃない魅力を演出できるでしょう。
廊下のデザインでこだわるポイント
壁の色や素材でアクセントをつける
廊下というと、まっすぐ伸びるシンプルな空間を思い浮かべる人が多いでしょう。実際に廊下はメリハリのない空間になりやすいため、デザインにこだわりたいのであれば、壁紙の色や素材でアクセントをつけることが大切です。
壁紙の色や素材を部分的に変える技法の「アクセントウォール」を取り入れたり、床材のタイルの大きさや並び方を変えてデザイン性を持たせたりすることで、メリハリのある空間に仕上がります。また、天井や壁などに装飾仕上げを施すモールディングも、廊下をワンランク上のおしゃれな空間に演出してくれるのでおすすめです。
内装材で印象を変える
廊下と部屋をつなぐ扉やドアノブ、ドアハンドルといった建具にこだわることでも、空間の印象を変えられます。廊下は暗い印象を持たれやすいため、扉は明るい雰囲気の色を採用すると良いでしょう。また、床と色を統一させることで、全体的に開放感が生まれます。
空間にメリハリをつけて立体感を出すなら、扉の色をそれぞれ変えるのもおすすめです。また、同じ木製でも木目の柄や色味などで雰囲気が変わるため、デザイン性の高い廊下にしたいなら内装材にもしっかりと目を向けましょう。
絵画や小物などを飾れる場所をつくる
廊下にお気に入りの絵画や小物などを飾ると、おしゃれな廊下を演出できます。絵画や写真を壁に飾りたい場合は、飾ることを意識した壁材やデザインを選ぶと良いでしょう。
また、壁面をくぼませて飾り棚や壁収納として使えるニッチは、植物や季節のアイテムを飾るディスプレイとして最適です。廊下との相性も良く、アクセントにもなります。ただ、ニッチは壁の空間の厚みを利用して設置するため、収納スペースの奥行きを十分に確保するには設計の早い段階から計画を立てておく必要があります。
ニッチに何を飾りたいのかをイメージし、専門家の意見も聞きながら計画を立てていきましょう。
窓や照明の配置にこだわる
廊下は通路として利用するほかに、読書スペースやちょっとした作業スペースを兼ねることもできます。廊下を長く過ごせる快適な空間にするなら、大きな窓を採用して採光や通風を良くするのが◎。また、眺望の良い立地にあるなら、外の風景が絵画のように納まる配置に窓を設置するのも、おしゃれな雰囲気の演出に一役買ってくれます。
照明については、廊下全体のテイストに合ったものを選んでおしゃれな雰囲気を演出しながら、全体的に暗くならないように照明計画を立てましょう。
廊下を有効活用する設計アイディア
天窓を活用
廊下は日差しが差し込みにくいため、どうしても暗くなってしまいがちです。照明を多く取り付けるのも良いですが、自然光を取り入れたいなら天窓を活用しましょう。天窓を設置する場合は、日差しが強すぎない北側がおすすめ。また、射光の角度や量なども考慮してうまく自然光を取り込みながら、日中は照明をつけなくてもいいほどの適度な明るさを実現しましょう。
収納スペースとして活用
廊下は収納スペースとして有効活用することもできますが、棚を設置して居住スペースが狭くなっては快適な暮らしを叶えられません。壁面をくぼませて飾り棚や壁収納として利用するニッチなら、通路としての幅を確保しつつ、収納機能も成立できるのでおすすめです。廊下にあまり物を置きたくない場合は、床下収納や天井裏収納を検討すると良いでしょう。
家事動線を工夫する
廊下は動線としての役割も担っているため、毎日の家事を快適にするには動線の長さを考慮したうえで設計する必要があります。たとえば、リビングやダイニングからキッチンや洗濯スペースへの動線は日常生活でよく利用するので、可能な限り短くするのがおすすめです。
また、トイレや風呂場、キッチンなど何回も通ることになる廊下は、家族がすれ違っても問題ないくらいのゆとりのある広さを確保しましょう。