ハイドアとは
ハイドアとは、一般的なドアよりも高さのあるドアを指します。一般的なドアの高さが約2mなのに対し、ハイドアは2.4~2.7mと高いのが特徴です。ドアと天井の間にある垂れ壁をなくして、床から天井まで届く高さのものが主流となっています。
ハイドアはフルハイドアとも呼ばれ、開き戸や引き戸、折れ戸など種類も多彩なのが魅力。ドアそのものが大きくて存在感があるので、デザインは比較的シンプルなものが多い傾向にあります。素材の良さが際立つため、細かな装飾やデザイン性を求める方よりも、質感を楽しみたいという方に適したドアです。
ハイドアのメリット
高級感を演出できる
ハイドアの無駄のないデザインは落ち着いた余裕を感じさせ、高級感のある空間を演出できます。垂れ壁をなくすことで見た目もスタイリッシュになり、インテリア性が高いのもハイドアの魅力です。よりスッキリとおしゃれに魅せたいのであれば、枠のないものを選ぶと良いでしょう。また、ハイドアの素材も天然木材などの質の良いものを選ぶと、高級感がさらに増します。
部屋に開放感がうまれる
垂れ壁のないハイドアは開け放したときに視界や光を遮らないため、明るく開放的な空間をつくることができます。家族で過ごすことの多いリビングダイニングへの入り口や、暗さの気になる廊下の突き当りなどにおすすめ。引き戸のハイドアにする場合もレールが目立たないように処理されたものを選べば、隣の部屋とのつながりをより感じられ、広々とした開放感を堪能できるでしょう。
家具や家電の運搬がしやすい
ハイドアは一般的なドアよりも高さがあるため、ソファや冷蔵庫などの大型家具・家電の出し入れがしやすいというメリットがあります。引っ越しや部屋の模様替えが楽になるだけでなく、これまで大きさで諦めていた家具や家電を選べるのもポイント。選べる家具や家電の幅が広がるため、こだわりのインテリアに囲まれて暮らしたいという方におすすめです。
家具や家電の搬入のしやすさを重視するのであれば、高さだけでなく横幅も一定の大きさを確保するようにしましょう。
ハイドアのデメリット
ドア単体のコストが高い
ハイドアは一般的なドアに比べてサイズが大きいことから、ドア本体の価格も高くなるケースがほとんどです。また、素材やドアの性能にこだわりたいのであれば、さらに高額な費用がかかる可能性もあります。ただ、ハイドアは壁の施工費を抑えられるため、ドア単体のコストではなく、トータルでのコストをもとに検討するのがおすすめです。
隙間から音や光が漏れやすい
ドア枠のないハイドアは見た目がすっきりとする一方で、隙間から音や光が漏れやすいといったデメリットがあります。隙間風も通りやすくなるので、冬は廊下から冷気が入り込んで寒さが気になってしまうことも。暮らしの快適さを損なう原因になりかねないため、デザイン性だけでハイドアを選択するのはおすすめしません。
ただ、施工技術の高い工務店やハウスメーカーなら、隙間のほとんどないハイドアを設置することが可能です。
圧迫感が出やすい
ハイドアは閉めたときの存在感があるため、素材や色によっては圧迫感を与えることがあります。ほかのインテリアとのバランスも考慮しながら、圧迫感を軽減するための対策が必要です。
開け閉めが重たい
ハイドアは一般的なドアに比べて大きいため、開閉が重たくなりやすい点に注意が必要です。表面積の広さによって空気抵抗も大きくなるので、開き扉だとさらに重く感じやすいでしょう。小さなお子さんや高齢者など力の弱い方がいる場合は、設置場所を慎重に検討する必要があります。
後悔しないハイドア選びのコツ
ドアの内側と外側の天井高を揃える
天井とドアの間の垂れ壁のないハイドアの大きな魅力は、ドアを開け放した際に隣の部屋との空間につながりが生まれることです。ただ、ドアの内側と外側で天井の高さが違うと、空間がつながって見えないため、ハイドアの魅力が半減してしまいます。ハイドアならではの開放感を堪能したいのであれば、ドアの内側と外側の天井高を揃えるようにしましょう。
素材・色選びは慎重に
高さのあるハイドアは大きな存在感を放つため、素材や色によってはほかのインテリアとのバランスがとれず、圧迫感や違和感を与えてしまう可能性があります。空間のアクセントとしてあえて違和感をもたせるといった意図がない限りは、ほかのインテリアとのバランスも考慮しながら慎重に素材や色を検討しましょう。
開閉方式の違いによるデメリットを理解する
ハイドアの開閉方式には、開き戸や引き戸、折れ戸などがあります。たとえば一般的なドアに採用される開き戸は開放感がある一方で、開閉するためのスペースの確保が必要です。省スペースを重視するなら引き戸が適していますが、引き込み部分に照明のスイッチなどを設置できず、レールの清掃などのメンテナンスが必要になります。
折れ戸は複数の連なった扉を折りたたむ形で開閉するじゃばら式のドアで、クローゼットや間仕切り戸などに採用されています。扉を開けた際の飛び出しやデッドスペースが少ないため、限られた空間にも設置することが可能。ただし、開閉時に指を挟むリスクがあったり、密閉性が低いので設置場所によっては消臭対策が必要になったりすることがあります。
開閉方式によってデメリットが異なるため、設置場所やスペース、使用頻度などを考慮しながら最適な開閉方式を選びましょう。
ハイドアとの相性がいい場所
ハイドアの設置を検討している方に向けて、ハイドアのメリットや魅力を発揮するのに適した場所を紹介します。
リビング
豪邸ならではの大空間のリビングにハイドアを組み合わせれば、より開放的な空間を演出できます。開放感をさらに高めたいのであれば、枠やレールを目立たないものにするのがおすすめ。白を基調とした空間にメリハリをつけたい場合は、アクセントとして濃い色のハイドアを選ぶと良いでしょう。また、ガラス素材のハイドアなら閉じたときの圧迫感が薄れ、空間に奥行きをもたらしてくれます。
玄関ホール
玄関ホールは家の顔ともいえる場所だからこそ、豪邸らしい品格と風格で来客を迎えるなら、ホテルのロビーのような高級感を演出できるハイドアがおすすめです。空間につながりをもたらすハイドアをリビングとの間仕切りとして取り入れれば、玄関からリビングへと続く広々とした空間を実現することが可能。壁と同系色のものやガラス素材のものを選ぶと圧迫感が和らぎ、家族やゲストを心地よく出迎えられます。
クローゼット
垂れ壁のあるドアだと、クローゼット上部の棚に物を収納しにくいため、収納スペースとして有効活用できないことも。垂れ壁のないハイドアなら、クローゼット上部の棚にも荷物を収納しやすいため、収納扉との相性は抜群。せっかくの収納スペースを有効活用したい場合は、ハイドアを検討するのがおすすめです。
ハイドアで高級感ある空間を演出するために
天井まで伸びるハイドアは凛とした美しさと存在感があり、無駄のないデザインが豪邸にふさわしい高級感をもたらしてくれます。また、視界や光を遮る垂れ壁がないので、明るく開放的な空間をつくれるのもハイドアの魅力です。ただし、その存在感に圧迫されてしまうこともあるため、ハイドアを取り入れるのであれば素材や色選びに注意が必要です。
ハイドアのデメリットをしっかりと理解したうえで対策を講じれば、ハイドアの魅力を存分に堪能できる贅沢な空間を実現できるでしょう。